torii sakiko



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もう終わりころだが、花壇に植えた種とり用の聖護院大根の花が白く美しく、どうしてだかその周りに白いあやめ、白いすずらんのようなすずらんでない、スノードロップでもスノーフレークでもないなにかがわっと咲いていて花壇が一時的に白い花で埋め尽くされている。アブラナ科は交配せぬようにあちらの花壇にはカブを植え、畑の隅には切太大根を植え、目の前の花壇には聖護院大根、というようにそれぞれ菜の花を咲かせ虫や風に受粉してもらい種を育てている。小松菜やカブや白菜の菜花は黄色で見慣れているのだけれど、大根の菜花の白ははっとする程美しく、花壇を見てはひとり感動している。横を「七草で言うスズシロだね、大根の花は白い」と夫が通り過ぎて、私はさらに感動してしまった。「なんでも花が咲くから種になるんだね」と口走ると「イチジク以外はね。あいつら 花無し果 だからね。」と言って作業を続けていた。(イチジクは漢字で無花果と書く。)私たちの育てている米も花が咲く。小さい小さい花がいくつも咲いて、きれいとは言えないけれど、あ〜!今年も立派な米がつくな〜!となる安心材料。お客さんに「お米の種も育てているんですね?」と聞かれたことがある。そのお客さんは米が種だと知らなかった。だから米に花が咲くなんて、想像もしていないと思う。大抵の食べているものには花があって、それが実になって、種があって、茎を食べたり葉を食べたり根を食べ、実だけでなく種を食べたりして生きているんだと思うと、当たり前のことを意識しないのはもったいなく感じる。芽が出てふくらんで〜花が咲いて実がなって〜ぐるんと回ってじゃんけんぽん(わたしの育ったところではこのような歌詞だった)と幼少期歌っていたのが思い出されて、そのわらべ歌にもあらためて感動している。
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